二人が交際に求める価値が,同じである必要があります。もし,一方が気楽で軽い関係を求め,もう一方が真剣で深い関係を望んだら,うまくいかなくなるでしょう。例えば,一人が子どもを欲しいと思っても,相手はそうでないかもしれません。同じ価値を求める,というのは,全く同じ夢や信条,願い,モラルなどを持つという意味ではありません。二人が必要とするものを互いにすり合わせ,譲り合うことさえできれば十分です。
 しかし,計画を譲らなければ,破局するかもしれません。アスペルガーの人は,自分の仕事や興味関心に没頭することが多いので,キャリアと家庭生活を両立させたいと願うなら,一度よく考える必要があります。お互いが,人生でかなえたいことを全て成し遂げ,なおかつ一緒に暮らすための責任を果たすのは,実際のところ不可能です。
 交際もこの段階までくると,ずっと一緒に過ごすのか,別れて個々の道を歩むのか,そろそろ決める時期かもしれません。別れは,二人がもう愛し合わないという意味ではありません。長く交際していると,愛し合うだけでなく,個々の人生の夢や希望を叶えるということも考える必要があります。話し合っても,互いの夢や希望を追うことに合意できなければ,何とかなるといたずらに関係を続けるよりも,別れた方が賢明です。
 互いの歩むべき道について話し合う時は,いつも自分の気持ちに素直でいましょう。恋人にうそをつくと,その時大丈夫に思えても,いつか相手に分かってしまいます。別れがつらいからと交際を続けても,長期的な展望が一致せず,長く交際した後に別れることになれば,もっと大きな心の痛手に耐えなくてはいけません。長く共に過ごした彼の別れは,精神的にとても疲れ,また大きな変化への適応も困難です。最初の変化がつらいからと,元のさやに戻ろうとしてはいけません。自閉症スペクトラムの場合,変化への適応が非常につらいと感じるものです。
 別れを決断したなら,いくら辛くても期間の短い方が,互いを深く知ってから誤りと悟る長期の交際よりも,過ちは小さいでしょう。
 もし,長く交際していながら,自分の願いや夢を叶えることができたなら,それはとても上手におつき合いしてきた証拠であり,人の愛情がとても強いに違いありません。これからもお幸せに!