○ケース7
氏名:E太  年齢:32歳
アスペルガーの診断を受けた時期:21歳
自分がアスペルガーであると知った時期:20歳
1 今おつき合いしていますか?
 いいえ。生まれて初めておつき合いをした人と,つい最近別れたところです。つき合ったのは,ニケ月間で,趣味の音楽つながりのネット経由で知り合い,共通の趣味があり感性も合う人で詰も盛り上がりました。相手の女性から“つき合おう”と言われ,週一回くらい会っていたのですが,拘束されるのが辛くてもうムリだと感じ,事態が悪化しないうちに早めに手を打とうと,別れを告げました。
2 これまでに,おつき合いしたことはありますか?
 はい。
3 アスペルガーは相手との関係に影響を与えましたか?
 アスペの中でも自分は男女間わず友人はかなり多い方だと思いますし,女性の友人も多いです。ただ,友人だとうまくいくものの,一歩踏み込んだ関係恋人や家族になるとうまくいかないのだと痛感しました。(具体的にはどういうこと?)僕が自分本位だということ,自分の都合を優先させて折れることができないということです。会うときも,まず自分本位に日時を決めます。友人なら“都合が悪い”で済むことも,恋人になると“かまって欲しい”という気持ちも読まなくてはいけません。自分なりに気を遣っていたつもりですが,相手の行動の裏にある意図を読めず,この関係を維持することに疲労困優し“人の気持ちが分からないとはこういうことか…”と痛感しました。重度なアスペであると再認識しました。
しかし,僕が彼女の求めることに応えきれなかったために,彼女も同様に辛かったのではないかと思います。友人ではなく,恋人や家族として一緒に過ごすのに,趣味や感性が合うことはさほど重要なのではないかもしれません。趣味や感性が合わなくても,相手がバランスのとれた人なら,もっと違う展開になったかもしれません。
(追加の質問)相手に自分がアスペルガーであることを告知しましたか?
 はい。本を買って勉強もしてくれました。勉強を進めるうち“私,ADHDかな?”とも言っていました。
4 アスペルガーがおつき合いに与えた悪かった点
 本来なら,中学生あたりで経験しておくべきことを30代になって初めて交際することになり,すでに柔軟な対応ができなくなっていました。つまり,この年齢での交際は,結婚や仕事などいろいろなものが絡んでくるので,純粋な人と人とのおつき合いではなく,認知のゆがみが入ってしまったのです。もっと交際経験が早ければ,柔軟な対応ができたのかもしれません。
5 アスペルガーがおつき合いに与えた良かった点
 全くありません。びっくりするくらいにないのです。今回ほど,アスペがこんなに憎く,自分がもどかしく,“こんなこともうまくできないのか,フツーの脳ミソやったら…”と,思ったことはありません。情けないし,いらだち,しんどいだけです。自分は,相手がよほど柔軟な人でもうまくいかないのだと思います。